年末調整とは
毎月会社が徴収している所得税の合計額と、その年の給与総額から計算される本当に納めなければいけない所得税額(年調年税額)とを比べ、差額を精算する。計算の結果、会社が社員から徴収した所得税が年調年税額より多ければ還付し、徴収した所得税が年調年税額より少なければ追加徴収をする。所得税の過不足を精算後、会社は社員の代わりに所得税を税務署へ納付する。この一連の手続きを年末調整という。
〔所得税の計算方法〕
所得税=課税所得×税率―税額控除
=(給与所得―所得控除)×税率―税額控除
=(給与収入―給与所得控除―所得控除)×税率―税額控除
控除とは
控除とは、「一定の金額を差し引く」という意味であり、所得税を計算方法で、出てきたそれぞれの控除について確認していく。
〔給与所得控除〕
給与所得控除は、所得税計算の基礎となる給与所得額を確定させるために、1年間の給与など収入額に応じて差し引かれる控除のこと。
自営業所などの事業所得者は、所得税を算出する際、収入から交際費や外注費などといった必要経費を差し引きます。しかし、企業に勤め給与を受け取っている人(給与所得者)には、収入から経費を差し引く制度がない。そのため、給与収入に応じて、「経費分 」として、差し引かれるのが、「給与所得控除」になる。
給与所得(給与収入から給与所得控除を引いたもの)金額の計算について(令和2年分以降)
給与収入が660万から850万未満の人⇒収入金額×90%-110万
給与収入が850万円以上の人⇒収入金額-195万円
なお、給与所得控除が差し引かれた結果は、源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」の欄に記載されることになっている。
〔所得控除〕
社会保険控除や配偶者控除、扶養控除、障害者控除、寡婦控除、生命保険控除、医療費控除、寄付金控除(ふるさと納税はこの控除に該当)など、本人や家族の個人的事情によって、税負担を軽減するためのもの。
〔税額控除〕 住宅ローン控除(他には配当控除、災害減免税など。)が該当。控除額がそのまま直接所得税から差し引かれる。
〔〕書きで記載された、所得税の計算方法、給与所得控除、所得控除、税額控除を踏まえると、節税として取り組むことができる控除は、所得控除、税額控除であることがわかる。両者を比較すると、所得控除は給与所得から一定額(給与所得に対する割合は大きくない)を差し引くことでの節税に対し、税額控除は、最終的に計算された所得税額から直接差し引くことができるため、所得控除より税額控除のほうが、節税効果は大きいことがわかる。
まとめ
今回は年末調整、所得税控除について確認した。普段、私たちが巷で話している住宅ローン控除、生命保険控除、ふるさと納税等の節税方法が、どの控除に区分されるのかを把握することができた。中でも、税額控除に該当される住宅ローン控除が、節税として非常に有効であることを確認した。
今後は、所得控除の詳細を解明することで、現在は、節税方法として、活用することができていない「ふるさと納税」も組み込むことで、より精度の高い節税、QOLの向上を達成していきたい。